| ムク木コラム |
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「特定住宅瑕疵担保責任履行確保法案」の愚 |
平成19年2月 山川元志 |
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| 国土交通省がまとめ、3月6日に閣議決定し今国会に提出するという。 その骨子は |
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こんな法律が出てきた背景は姉歯事件で、被害者が2重ローンに苦しむ事態が発生、補償資金を確保する仕組みづくりが課題となっていたからという。 現在でも任意加入の住宅補償制度があり、売り主が経営破綻した場合の責任を保証する制度はある。本来ならそれを充実させれば済む話をどうして「加入義務」という形でこんな法律が出てくるのか、疑問に思わざるを得ない。ようするに住宅補償制度は任意加入の加入率が1割と低迷しているから、強制加入化して、誰かの尻拭い資金を潤沢にし、姉歯事件のような問題に対する対策として、制度的な仕組みをつくりたいという事ではないか。 住宅補償制度が社会に本当に必要とされているなら、加入率はどんどん上昇していくだろうし、そうならないのは制度に問題があると考えるべきではないか。姉歯事件をきっかけに5指定確認検査機関と29特定行政庁が検査を見過ごしたという事実が発覚した。にもかかわらず、またしても欠陥の有無を検査出来る機関を国が指定し検査するのだという。検査で事足れりという安易な知恵は必ず破綻する。そんな形だけを追いかけるような制度は、実は知恵の足りない制度と言うべきである。日本はいつのころからか、つまらない制度とコストを押しつける「強権国家」に変貌してしまったと言わざるを得ない。 まじめな建築屋は、出来るだけ制度という面倒な手間暇はかけず、時には無料であるいは安くアフターケアし信用を保持してきた。賢い消費者は自らの目利きでもって安全をさぐりあててきた。決して公的機関など第3者を信頼してきたわけではない。今回の姉歯事件の本質は、公的な検査機関や特定行政庁を信用しすぎたところに、主原因がある。そこのところの反省がまったくなく、またしても保険や検査などと無用な手間とコストを強制的に押しつけ、解決を図ったように見せかけているだけではないか。それによって益を得るのは、消費者でも仕事をする職人ではなく、虚構の仕事士達だけではないか。 住宅の安全補償の保険は、あくまで任意で、民間の間でより良い保険を競争させて育てるべきである。保険会社も、保険加入する人も、利用して売る人も、納得ずくで、各々にメリットがあると判断して成立させるべきモノである。責任とリスクがははっきりしない上からの押しつけ制度は、成立からして欠陥性をはらんでいる。失礼ながら、日本でもっともリスクを取らず、生産効率と信用の低い公的機関と公務員の関与は不要である。 教育低下が問題になっている日本と異なり、フィンランド国民の教育水準が世界一になったという。教育改革の成功の秘訣は、上からの押しつけではなく、教育現場の校長や教師に自由裁量を与える一方、生徒や親が先生の成果を厳しくチェック出来るようにしたことである。いま日本の住宅行政は上からの強権的でヒステリックな方策ばかりで、残念なことに、フィンランドの教育改革をなしとげた当時の教育大臣のような、真の知恵者は今の日本のリーダーには見あたらない。 どの世界にも「現場には知恵がころがっている」。にもかかわらず、「未熟な知恵を押しつけたがるリーダー」と「創意工夫のないマニュアル人間」ばかりが増えつづけているのが、今の日本の現状である。「現場の知恵を引き出し活かせる人、真の公僕」こそ求められているのに。 |
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