ムク木コラム
木のみ木のまま

戻 る

 ユニットBOX70について

平成18年11月
山川元志

 カラーボックスのような形状でありながらそうではない。
 ただの箱のようでいてただの箱ではない。
 ただの箱でないことはBOX70の説明をお読みいただければわかるとして、もう少し基本的な考えについてふれてみたいと思う。

 BOX70がカラーボックスと一番違う点は、主要部分は合板でなく中身の詰まったムク木ということであろう。桐に似た材を使用しているので軽くて持ちやすく、それは必要にして充分な強度があり、何よりも本物としての存在感があると思う。
 よくエコな家具と期待過剰され、誤解されてしまうことがある。ユニットBOX70は裏板には箱の精度を保つためにもシナ合板が使われているし、主用材のファルカタは接着剤を使かって横ハギされている。その意味で到底エコな家具などではないし、エコな家具などと言うつもりもない。しかし塗装されていないので通常の人なら決していやな臭いはしないと思う。

 そもそもちょっとした接着剤や合板に、何故これほどまでに多くの人が過剰反応しなければならなくなったか、恐れるような状況に至ってしまったかを考えてみたいと思う。
 平成16年、志木の設計施工で建てた「化学物質過敏症の方の家」は何とか新築から住んでいただくことが出来た。その家も接着剤を普通に活用したし、量は極少だが合板も使った。多くの方は出るVOCばかり気にされるが、周囲が吸着する、無害化する、呼吸する素材かどうかはあまり考えられていないことが多い。
 例を挙げれば10の毒素を出して吸着力がゼロの環境と10の毒素を出して100吸着できる環境とでは雲泥の差があるということである。今の新建材の家では実はこうした悪夢が、高気密高断熱ともあいまって現実になっているということである。たとえF☆☆☆☆の建材を使い毒素が7に減じても吸着力がゼロの環境ではその家は「毒ガス室」そのものである。さらにがんばって毒素を3に減らしても吸着力がゼロの家では、持ち込まれる家具や生活用品から発せられるであろう化学物質の害から免れることは出来ない。
 こうした考えから志木の家は呼吸性、調湿性、吸着性を重視した素材と仕上げを最も重視し、VOCも出来るだけ減らす住まいづくりをめざしている。正直言えば安全な合板なら使いたい。それはムク木でつくる困難さを重々承知しているからである。現時点では徐々にノンホルの合板をテスト的に下地材などに使用している段階である。

 住まいというものは、住む人を囲んでしまう環境なだけに、そこで使われる素材と仕上げはとても大切である。その点小さな本箱BOX70は、周囲は開放されており、吸着性のある材と仕上げなので、VOCの過重な発散源にさえならなければ、ムク木の家とマッチし充分存在価値があると思っている。
 化学物質汚染を避けることは重要だが、ムク木から発する木の成分もまた異なった化学物質であることを忘れてはならない。要は人が十分に耐えられるような程度のレベルであることが肝要なのだ。そのためには素材の吸着力も大切だし人の自律神経の正常化、鍛錬も大切である。過剰な神経質さは現実的な可能性すら狭めてしまいかねないと思う。
 だからアレルギー持ちの人も、あまり頭でっかちにならず、1週間以内なら返品も可能なので、確認して大丈夫なら使用するという現実感覚を身につけてほしいと思う。

HOME    戻 る
Shiki ムク木の家で暮らそう
有限会社 志 木
〒611-0042 京都府綴喜郡井手町柏原37(JR奈良線玉水駅前)TEL0774-82-2025 FAX0774-82-2208