ムク木コラム
木のみ木のまま

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 高気密高断熱はシックハウス

平成18年10月
山川元志

高気密高断熱の住宅が政府の推奨だったが、シックハウス法の施行で24時間換気が義務付けられる。
高気密高断熱の家は、夏は冷房、冬は暖房、それに加え加湿に除湿、さらに空気清浄までしてはじめて意味をなす。
しかしこれでは省エネ住宅には到底ならない。エネルギー浪費住宅である。ガンガンの冷房で灼熱化した大都会は、過去にないほど外気が熱せられ大雷雲が発達しやすく、突然の大雨になりやすい。新しい都市災害も起こり始めている。
もっと悪いことは、高気密化された住宅は、夏の風物の蚊取り線香や、先祖をお参りする仏壇の線香すら毒ガスとなって凶器に変身しかねない。
そうでなくても新建材の家はVOCが常時出やすく家具の塗装や芳香剤や飛び交う電磁波も凶器となる。
こう考えると何のための高気密高断熱かと考えてしまう。

 高気密は危険なのであきらめるとして、高断熱だけでもと都合の良いことを考えてしまう。つまり夏涼しく冬暖かい住まいである。しかし冷暖房の効果を上げるには高気密でなければその断熱性能は低下するのは当然である。ということは、高気密をあきらめるということは高断熱をあきらめるということに他ならない。高気密でなければ高断熱にはならないのだ。高気密であるということはシックハウスの危険性がある以上、あまりに過度な高気密と高断熱化は求めるべきではないのではないのかもしれない。

省エネで夏涼しくするには、単純にイメージすればサモアなどの原住民に見られる草葺きの屋根だけの住まいということになる。一方冬暖かく住まうなら、高気密高断熱で室内を暖房するのが良いが、しかしこれではシックハウスになりやすい住まいとなる。それを避けるには、窓で開放の可能な、壁面の高気密高断熱はやむ無しとして、床と天井の高気密と高断熱は控えめにするしかない。床と天井が多少なりとも通気性があれば、室内で熱せられた空気は上昇し天井から適度に排気される。

何もしなくても化学物質から安全で、夏涼しく冬暖かいなどと言うのはとても厚かましく、すべてを満たすような住まいは幻想であると思う。では何をもっとも重視するかということになるが、高気密高断熱は絶対に危険で止めるべきこと、とりわけ床と天井の高気密高断熱化は控えめにするべきなのではないかと思う。近頃はやりの、ビニールシートまで敷いて分厚い断熱材で覆うような住まいは、実はどんどん健康を守るべき住まいを、どんどん毒ガス室化しているようなものだと思う。室内の仕上げ素材が調湿も脱臭もしない呼吸性のない仕上げで、VOCを微量でも出し続けるなら、その住まいは間違いなく「毒ガス室」である。

このように考えたとき、壁は高気密高断熱でペアガラスの掃き出し窓や地窓を多用して、居住者の意志により大胆な通気が出来るようなプランであること。床と天井は窓のように気軽な開閉は困難なので、高気密高断熱は控えめにして、意図しなくてもそれなりの通気のとれる造りが良いのではないかと思う。また仕上げ材にはVOCの出にくい素材選びはもちろんのこと、呼吸性があれば、室内の調湿と温度調整、結露防止と脱臭、空気の流動に役立つのでこれは必須であると思う。

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