ムク木コラム
木のみ木のまま

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 元カーテン販売店店長の犯罪

平成18年4月
山川元志

川崎市の小学生をマンションから転落死させた41歳の容疑者である。
子供3人と妻の5人家族を持つカーテン販売店の店長だった。
どこにでもいそうなまじめそうな人が、何故、恐ろしい無差別殺人者に変貌するのか。
理由無き殺人者の背景をあえて探ってみた。
 
1964年生まれ、下町育ちでお祭り花火が大好きだった。

社会人になり、理髪店に2年勤め、その後不動産会社に転職、カーテン部門に転属。
「1枚の生地でお部屋の雰囲気ががらりと変わるこの仕事に驚きと楽しさを感じ12年」
というのは、自身のブログに寄せたコメント。熱心なカーテン部門の店長として数年間
勤める。6300軒の新築に納品という実績。


2004年夏 行きつけの理髪店主に転職ほのめかす、当時45万の月収があり、
店主に「転職してもそんな月収は無理」と言われる。
2004年秋 父親が倒れ欠勤増える。
カーテン店社長曰く、固定客がいて売上げの極端な落ち込みはなく、
給与も大きくは下がっていない。
2004年10月 分譲された新築住宅を購入。
月に12〜3万の住宅ローン
2005年春 長女が交通事故、「眠れない」と家族に訴える。
勤務状態が悪化していく。
2005年9月 失職する。
自殺願望がありふさぎ込んでいた。
2005年10月 マンション最上階で自殺しようとした。
2005年11月 首にコードで死のうとする、家族が止め入院させる。
2006年3月8日 退院
2006年3月20日 小学生3年をマンションから転落死させる。
2006年3月29日 68歳の清掃作業員女性を襲う。
2006年4月1日 防犯カメラの映像で観念し逮捕される。

ちょっとした仕事上の悩みは誰にでもある。
そんな容疑者が不眠から鬱になり、勤務状態が悪化、リストラに追い込まれるのは、「新築住宅購入」以降であることに私は注目している。
その上、失職後は経済的にも精神的にも追い込まれ、人格破壊にまで至ったのではないかと推察する。

新建材住宅には強弱はあってもシックハウスはつきものである。
シックハウスは自律神経失調や不眠を引き起こす。それが勤務状態に悪い影響を及ぼし、通常の勤務が困難な状態にまで追いつめ、失職したのかも知れないと予測する。
不安定化した生活リズムと、「理解されない」というストレスは、実は生体のセロトニン分泌に重大な影響があり、人をさらなる「鬱」へ追い込んで行く。
それが自殺願望となって現れるのである。

近頃、理由無き殺人が増えている。その背景には、こうした生活環境の激変がかかわっているのではないかと思う。
不眠、自律神経失調、鬱、失職、過大な経済負担、大きなストレスの重なり。
一人の人間にとって、これらが次々やって来たとき、それはとても背負いきれない大きな荷物なのだ。
犯罪はいかなる理由があっても許されるものではない。しかし理由無き無差別殺人をするような人間は、こんなにも多くはいないはずだと信じたい。
もしその考えが事実なら、アレルギーにとどまらず、新建材住宅の罪は思いの外大きいかもしれない。

一面的な耐震を強要する建築基準法もまた新建材住宅を助長する重大な役割を担っている、私はそう思っている。
だからこの木のみ木のままの拙文を書いている。

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