| ムク木コラム |
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欠陥マンション問題に思う |
平成17年12月 山川元志 |
| 犯人探しが始まる。構造設計士、意匠設計士、確認検査機構、マンション業者、施工会社そして自治体や国、誰が一番悪いかである。これに加え住宅ローンの担保を取っている銀行、買った入居者にもそれなりのミスがある。姉歯氏のかかわった物件は62に及び極めて深刻な問題である。 私は今回の最大の問題は、立場と責任が不明確な建築基準法そのものにあると思う。本来なら各設計士、業者、販売主、消費者、銀行それぞれがそれなりのリスクと責任があるのは当然である。そこに確認ということで自治体や国が中途半端に介在するから話をややこしくした。形の上では検査機構が確認し、「お上が決めて確認している構図」になっているので移管している自治体に責任がある。この構図は「シックハウスの問題」「薬剤と医療の問題」の構図と似ている。とことん責任をとれないし取るべきではないのに全てを指導し、決めるそぶりをするという、公の不思議な存在が介在するのである。そのため業者には隠れ蓑、消費者は安全と信じてしまいやすく、銀行は楽してローンを貸しつける、総無責任体制がまかりとおる。 公は高さや大きさなど都市計画的な要素は規制しても、耐震やシックハウス等建物の安全性をはかる技術は、本来技術者と業者の責任に帰すべきものである。つまりこうした部分では公が責任をとるようなシステムはそもそもおかしいのだ。あくまで民民の問題である。公が安全を保証しているような構図は誤解を生むシステムだと思う。 そのため、今回の件で言えば国は即刻建築行政システムの不備を認め、不備を認めるからその責任をとるために欠陥マンションを買い取る。その上で後日、販売業者や銀行を含め各業者に応分の責任を取らせるべきだと思う。 テレビの評論家が、昔は法隆寺や5重の塔など5百年も千年も持つような、すばらしい建物を造ろうというようなりっぱな職人がいたが、この事件では、それがどこにもいなかったと嘆いていた。余談だがこの評論家の先生、現行の建築基準法では、千年を生き抜いた法隆寺の建物群も5重の塔も、筋交いや金物が、使われなかったり少なくて、単純な新築だと「違法な建物」になるということをご存じだろうか。つまり「欠陥マンション」と同じ扱いになるのだ。現行建築基準法は、そんな日本古来の伝統の知恵を生かさず、殺すような知恵の足りないシロモノでもあるのだ。 地震の安全性の判断は本来極めて専門的で、法律で一律に扱うのは困難である。つまり専門家によれば、静的解析と動的解析では正反対の結論になることもありうるのだ。まして地盤や地震という不確定な動きは何人も予見できない。よって今の国の指針はあくまでひとつの参考にすぎないものである。要は構造の専門家がどのような判断で設計し建てられた建物であるかが分かるようにすることが重要である。もっと構造の専門家の専門性を活用し、民民の問題は立場と責任を明確になるように改正してこそ正しい解決の道と思う。国自治体の責任を不明確にしての、80億円の税金投入はやみくもに責任のない一般国民に負担させることになり、悪しき前例になる可能性が大である。 |
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