| ムク木コラム |
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首相公邸もシックハウス |
平成17年10月 |
| 小泉首相が「目がチカチカする」と訴える。案の定、首相公邸はシックハウスなのだ。昨年来シックハウス法の欠陥を指摘してきたが、それが現実になった。それも国の代表者の住まいで。 国が造った建物では、関西学研都市内の「私のしごと館」も「第二国立国会図書館」も危険な建物である。首相だけでなく、皇太子妃雅子様もシックハウスの症状があると私は思っている。是非正しい解決策を知って欲しいと願うばかりである。 今年、化学物質過敏症の方に、苦労の末何とか新築から住んでいただくことが出来た。(詳しくはいづれ小冊子にまとめたいと思っている。)そんな体験からシックハウス法の根本問題について述べさせていただきたいと思う。 ホルムアルデヒド等のVOCを多く発散する建材が使用制限を受けるのは当然である。そのため、建材メーカーがそれなりの情報開示と規制を受けるのも当然である。それが遅れたためにアスベストの問題も問題を深刻にさせたと思う。 しかしこれらの建材を使う側に「内装制限」という形で国が主導するやり方は果たして正しいのだろうか。もし国の指導を守ったのに、シックハウスになる、あるいは化学物質過敏症になった時、国は果たしてその責任をとれるのだろうか。恐らく責任はとらないだろう。それでは、責任をとれないのに指導するということになるのではないかと思う。首相公邸でシックハウスになったら、業者に責任を問えるのか、国の責任かという問題である。 こうした無責任な指導では、エイズ問題の教訓がまったく生かされていないというべきである。 薬を提供する業者は、使用方法と情報開示によって安全な薬を提供し、医師は薬を利用することによって患者の治療にあたる。それぞれが第一義的それらに責任を有するのは当然である。それぞれ「造る責任」と「選択し、使う責任」、この2段構えによって安全は確保すべきである。その場合、国の役割は、スピーディーな正しい情報の開示と、薬に関しては最悪は製造中止、回収、医師に関しては医師免許取消といった「行事的な役割」に徹すべきである。国が保証するといった当事者的な役割は順次廃止すべきなのである。病気を治せない医師が、薬をあてがうような愚は避けるべきなのだ。 シックハウスの問題も同じように考えるなら、建材業者は安全な建材を提供し、建築業者は安全な住まいや建物を提供するべきで、それぞれがそのことに関し責任がある。それが本来の姿である。国が主導するという、当事者的な手段でシックハウス問題に取り組むことは基本的に間違っていると私は思う。つまりもし仮に国の指導を守ったにもかかわらず重大なシックハウスが生じたとき、一体誰に責任があるのだろうか。建材業者も建築業者も法は守ったのだから、責任はないということになりはしないか。それとも国は法を順守して生じたことに責任をとってくれるとでもいうのだろうか。でなければ消費者は泣き寝入りするしかないだろうと思う。つまり「責任をとれないのに指導する」という問題である。 もともと日本古来の住宅ではシックハウスなどなかった。新建材が無定見に、無責任にひろく使われてきたためにこのような問題が生じてきたのである。臭い新建材への規制強化と建築業者の建てた建物への苦情の情報開示をきちんとやっていれば、悪い新建材や悪い建築業者は淘汰される。そんな方法もあったはずである。自動車にはリコールがあるのに、住宅メーカーにはそれに類したモノはない。苦情の情報開示はそれに変わるモノとして重要である。 化学物質過敏症の方から学んだことは、詳しくは述べられないが、今のシックハウス法では絶対にシックハウスはなくならないということである。首相公邸に見られるごとく、シックハウスの問題は消えてはいない。首相公邸でシックハウスになれば、本来は業者に責任をとらせるべきである。しかし法を守り作られた建物なら、法は免罪符にはなっているだけかも知れないのだ。そんな役立たずの法律は不要である。 建材の品質は建材業者の責任、建物の品質は設計者と建築業者の責任、選んだ消費者の責任、各々がそれなりの責任を負うべきだと思う。国は正しい情報開示や時には製造中止命令、参考データ開示等、すべての住まいが安全な住まいへ淘汰されるよう、より良い行司役に徹すべきである。そんなやり方のほうがはるかに安全な住まいが増える、そんな気がしてならないのである。安全な建物は業者が責任を持つべきである。家電品や車がそうであるように。それが出来ない設計者、建築業者は技術が低い業者で、市場から退出しなければならないメカニズムがあればいいのだ。 |
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