| ムク木コラム |
![]() |
戻 る |
|
カリン材の美しさについて |
平成14年12月 山川元志 |
当社で販売しているもっとも高級な床材は、カリンのフローリングである。 カリンの仲間のなかでも、東南アジアのタイとビルマの産で、「本カリン」と呼ばれ、もっとも高級とされる材である。高級な家具や床材として珍重される木材で、その端材をフローリングに活用したものである。 本カリンは、「紫檀」や「黒檀」に次ぐ銘木のひとつでもある。 そんなカリン材であるが、その色相は、基本は赤系統であるが、じつは様々である。 部分部分を見ると、黒に近いところ、真っ赤や薄赤いところ、さらには白にちかいところもある。つまり色合いだけを取り上げれば、バラバラなのである。 そのため、そんな話をすると、「同じ色だけを選別してくれませんか」といわれてしまうこともある。きっと「統一感がない」と思われるのだろう。 しかし、これは大きな誤解である。カリンの美しさは、このように多様でありながら、各々にカリンらしさがあって、全体として床材に使われると、実によく統一感が出てくる。 むしろ、このような部分部分の個性が有るにも関わらず、調和しているところに、この材の「美しさの源」があると私は思っている。 カリン材にとどまらず、優良なムク木は、どれもこれも部分部分は実に個性的である。しかしながら、檜には檜らしさが、ナラにはナラらしさがある。こうした自由と統一感こそ自然のもつ本質でもある。その昔、コルビュジェなど、優秀な芸術家の先人が、「美」を「混沌の中の秩序」といった言葉で説明しようとしてきた。自然界は秩序性と自由さ、結果としての多様をもつものばかりである。このことは、身近な木の葉をみても、花をみても、理解されるのではないだろうか。私たちは、こうしたものに言いしれぬ「なつかしさ」を感じる存在である。人工モノの疲れるゆえんは、秩序が勝ちすぎているといえなくはない。 数年前、鉄骨倉庫を改築しキリスト教会の仕事をさせていただいた。 コストを下げるため天井は鉄骨をむき出しにし、銀色の塗装を施す。 床には、重厚性があって鉄に負けない材質感をもった、カリンのフローリングを貼る。 鉄の柱は冷たく、堅い感じがする。そのため、人に優しく柔らかい木材で、床のカリン材と同じ赤系統の米杉材で、壁の下の2/3を囲った。 上部の仕上げは、白い珪藻土塗りとした。 家具は、同じカリンの仲間で、アフリカ産のパドック材などを使った。 この教会をその後訪ねてみると、建築後も天然ワックスが丁寧にかけられ、信者さんの手で塗り重ねられた仕上げは、実にきれいだった。このありのままを見ていただければ、部分部分の一見バラバラな色合いは、全体をよりいっそう美しくする、単なる「要素」にすぎないことが素直に理解されるのではないだろうか。 カリン材の美しさは自由と秩序、多様といった自然の凝縮そのものである。 |
|
HOME 戻 る |
|
| ムク木の家で暮らそう 有限会社 志 木 〒611-0042 京都府綴喜郡井手町柏原37(JR奈良線玉水駅前)TEL0774-82-2025FAX0774-82-2208 |