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「今年の夏は、畳のやりかえが特に多かった。しかも、シロアリに食われているのが多かった。」この話を聞いて、気になることがある。
それは、和室がシロアリにやられているということである。
私の経験では、適材適所を大切にした住宅では、湿気が多い浴室周りや、床下の通気の悪そうなところの一部が、シロアリに食されることは時折見られるが、和室が食されることは、まず考えられないのである。
ハウスメーカの住宅で、和室がシロアリに食された住宅を、建て替えた経験はある。
むろん、こうしたメーカの住宅は、適材適所とはとても言い難い木材の使われ方をしているから、当然といえば当然である。
実際のところ、和室がシロアリに食されているということは、家中が食われている可能性が大である。
床下周りの米マツや米トガ、ホワイトウッドに日本産の地松は、シロアリの好物である。だから、湿気の多くないところでも、食われてしまうのである。しかも、好物を食べれば、どんどん元気になるから始末が悪い。
宮崎県では、内地の地栂を良材として使っていたが、名前は似ているが別物の米トガが使われるになって、シロアリの害が広まったという話を聞いたことがある。
暖かく、海に近いということで、ヤマトシロアリより凶悪なイエシロアリが生息する。
そのため、この地方では優良な日向松の産地だが、それを使わずに中国地方や近畿へ移出し、現地では杉を中心に家造りをしてきたという土地柄である。
そんなところにも外材が進出し、無知な使われ方をすると、シロアリに無防備となって大きな誤りを犯してしまうのである。
土台や床下周りには、檜や青森ヒバや米ヒバが良い。
もちろん地域で手にはいるなら、アテにカラ松や栗にマキ系統でも良い。
腐りにくくてシロアリに強い、その地域で手に入れやすく加工性の良い材を使うべきである。
そんな先人の知恵を無視した住宅は、腐朽がすすむと地震にも弱く、耐久性も低く、森林資源の無駄使いというものである。
シロアリ駆除が、毒性を無くして安全になるのはよいが、こうした肝心な点を置き去りにしている住宅がいかに多いことか。恐ろしいばかりである。
木造の家に使われる材料で、土台は大変大切な部材であることを是非改めて知っていただきたいと思う。
近頃は、値段が安いということで、新建材の畳が使われることが多く(ハウスメーカはほとんどこれといわれる)、畳屋さんが使うような藁どこが使われる畳は、大変少ない。
藁を豊富に使った畳は、重いが呼吸性が豊かである。
呼吸するムクのフローリング同様、室内の調湿と結露防止に役立っているのである。
新建材の家は、畳まで住み手には優しくない。
新建材の家は、アレルギーの主原因で、和室でくつろぐはもはや昔の話である。
張りぼての柱に鴨居と長押、木目がプリントされた天井、ビニールクロスの聚楽壁、畳まで新建材でみかけだけの和室は、危険ですらあるのだ。
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