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知恩院のウグイス床のように、あえて床鳴りするように工夫されたものもあるが、一般住宅では、歩いた時の床の音はできるだけ避けたいものである。床のきしみは、人が歩いたときに、体重で床が沈み、そのときに床板と釘がこすりあって起こると考えられる。こうした床なりを完全になくすのは困難であるが、少なくするには体重による床の沈みを少なくするか、釘の遊びをなくすしかない。そのための具体的な方法としては、合板による下張りとボンドつけ、釘もコンプレッサーによるタッカで強く固定するのが有効と考えられる。
しかし、コンパネの下張りは適当な間隔の根太があれば強度的には必ずしも必要なものではない。しかし、床がコンクリートの場合は、ムクのフローリングのじか張りは好ましくないので、コンパネの下張りが必要である。いずれにしろコンパネの下張りは床板の適度な弾力性を損じるので歩き心地は少し落ちることになる。根太や下地コンパネへのボンド付けは床板を固着させる働きがあるのできしみ防止に有効であるが、全面への塗布はムク木の自然な収縮をそこなうので好ましくはない。また健康志向の高まりから合板やボンドを出来るだけ避けると言う考えもある。最近施工方法として広まりつつあるタッカによる固定は予備穴をあけて人力によるフロア釘によるよりも、コンプレッサの力で固着させ、針の先の接着剤で抜けにくくするので、きしみ防止には有効と考えられる。しかしカリンのように特に堅い材では圧によってはうまく入らないケースも考えられるので確認して利用していただきたい。またその他の材でも材が割れることもあるので注意が必要である。しかし予備穴をあける手間、フロア釘をポンチでたたく手間などを考えれば格段に作業性が良く、少し広い床なら能率差はかなり高い。
そのため最近はボンドを点付けにしてタッカで固定するのが、作業性もよく、比較的きしみを減らすのにも有効と考えられる。しかし健康志向の高まりで出来るだけボンド気のない施工をめざすなら、予備穴をあけてフロア釘を打ってポンチで締めるしか仕方ない。さもなくば見えるのは覚悟して上からビスでとめるしかないであろう。いずれにしても現場状況と建築主の方の希望なども考慮して決めるのが良い。
ムクのフローリング季節により若干の収縮は避けられないので、こうしたきしみもどうしても起こりがちだが、施工後1年を経過すると、床板も施工された新しい現場環境になじみ、比較的過度な動きも減り、おとなしくなるといわれる。また一般に広葉樹より針葉樹の方が素直な動きをするのできしみは少ないかもしれない。コンパネ下地にボンドをべた塗りし合板の床板を張るのがもっともきしみが少ないが、ムク木の良さを殺すことになる。調湿するムク木のよさを理解していただけるなら、若干のきしみには寛容な気持ちもまた必要かもしれない。
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