ムク木コラム

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 10年保証の危険

 設計施工の工務店をやっている知人2人に聞くと、どちらも「10年保証の制度」は使っていないと言う。(有)志木でも使っていない。
 今、23年前に建築した建物のリフォーム工事を行っているが、構造体には何の問題もない。建築主さんと話す。「私達の寿命よりこの家の寿命のほうが長いかもしれない」と。風呂の入り口の敷居が少し痛んでいる。もっとも痛んでいるのは、合板のフロア材。こうした傾向は、当社で建てたどの住宅でも同じである。合板類の耐久性のなさをここでも確認する。リフォームは床板をムクのフローリングに替え、住宅機器を新しくすることが基本となる。
 知人2人も、私も、思うことは同じである。私たちの建てる住宅の構造体は10年では痛まない。だから10年保証は必要ない。では何のための10年保証だろうか。適材適所を守った住宅を建てる人達が、劣悪な住宅を建てる業者を守るための寄付である。あるいは、本来なら不要な保険商売を増やしただけである。こんなもののために、私たちの建築主様に保険料を負担してもらうのは、ばかげているのだ。
 しかしながら、実際のところ近頃の多くの住宅は、構造体が10年もつか危ういのである。
その理由は、プレカットによく使われるホワイトウッドの柱や、米松の枠材が多用され、土台は米トガが使われている。壁は針葉樹合板と耐火ボードでサンドイッチにされ、内部結露がしやすい。このように、主要構造材が、湿気やシロアリに弱い材ばかりなのだ。
最近のシロアリ駆除剤は毒性が落ち、5年ほどで効果が落ちるらしい。そうなると、10年で問題を起こす住宅も増えてくるのではないか。出来るだけ毒物のシロアリ駆除剤に頼らないためにも、木材は、「適材適所」をしっかり守ることがとても大切である。「早く・簡単に・つくりやすい」というだけで木材を決めるのは詐欺行為に等しい。
 住宅を建てられる方も、まさか「10年程度もてばよい」とは思っていないだろう。だとすれば、工務店が適材適所を大切にする業者か否か、ぜひ吟味していただいきたいと思う。日本の、消えかかりし世界に誇るべき「木の文化」は、こんな一歩から再活性するのである。「10年保証があれば安心」などゆめゆめ思われぬよう、賢く普請していただきたいと思う。


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Shiki ムク木の家で暮らそう
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