ムク木コラム

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 日本檜の柱


平成14年8月

 仏教の源のインドでは、今も香木の代表「白檀」は高貴な人が亡くなられ、荼毘に伏すときに使われる。
仏教と香木は深い関係がある。仏教儀式でお香をたくのも、このあたりから来ている。
 飛鳥時代、中国から仏教文化が日本に入ったとき、香木ということで、クスノキが仏像や仏教建築に使われた。
それは山田寺にクスノキが使われ、飛鳥時代の仏像がクスノキで造られていることでわかる。
しかしながら、奈良時代になると、寺院建築も仏像も日本独自の檜材が使われるようになる。

 日本の檜は良い香りがする。
檜はそれだけではなく、加工性や強度、耐久性にも大変優れた特質を持っている。
そのため、武家の時代、檜材は一般庶民には使えないシロモノで、武家など特権階級が城や屋敷、寺院、神社に使用していた。そのため、一般庶民は雑木というものを利用していた。
 檜が一般庶民が使えるようになったのは明治以降ということになる。そのため、お金持ちは「檜普請」と呼ばれるがごとく、その後の経済成長と軌を一にして、こぞって憧れの檜材を使った。
 戦後、日本の檜と似ているということで、米国檜や台湾檜が輸入された。当初、木の値打ちを知らない外国人は安く輸出したそうである。しかしその後、日本人が高く売買しているのを知って値上げをしたということである。ともに良材ではあるが、米ヒに台ヒ(プロはそのように呼ぶ)は、木味も香りもす少し日本の檜より落ちるようである。 ラオスから日本の檜と見かけがほとんど似た檜が輸入された。
見た目は本当にそっくりであった。しかし残念なことに日本に持ち込むと割れやすく、香りはほとんどなかった。このように見てくると、同じヒノキ科であっても、日本の檜は独特で世界のどこにも見あたらない優れものなのである。
 しかし、今、山では檜柱が売れなくて困っている。
昔と異なり、今は決してべらぼうに値高いわけではないのにである。
檜の柱は、限られた太さの立ち木からとるので、心持ち柱といって、丸太の中心を持っている。
そのため「背引き」といって、鋸目を入れて割れにくい工夫をしている。
しかし木材の呼吸性は残るので、いくら乾燥しても微妙なそりゆがみは当然とめられない。
プレカットが一般化し、見かけの精度と、ローコストを求める現在、そして大壁で隠される柱ばかりの洋風の家づくりから、素敵な高級材の檜柱は「外れモノ」になってしまったのである。
 このようにすばらしい良材である檜材を使わない住宅は、正直いうとランクがかなり低い。
私なら、こんな良材は、安いのならどんどん使う。
それが世界に誇れる檜というすばらしい木材を知るものなら、当然思うことである。
もちろん志木では、柱は檜材、しかも太い4寸(12p)でどんどん使っている。
戦前からから、そして平成の今も、最高の柱材として当然の選択である。

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