ムク木コラム
木のみ木のまま

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 新建材の家のカビ

平成14年8月
山川元志


「ムク木の家」
の対極に「新建材の家」がある。
合板の床、壁、天井仕上げの他、ビニールクロスの壁、化学塗料仕上げの建具や家具、家電製品一般、アルミサッシ等、これらは皆新建材である。
ここで大切のことは、たとえムク木であっても、呼吸性を止めたプラスチックの仕上げは「新建材」と同じということである。
こうしたものが多いと、どういうことが起こるか簡単に述べてみたい。
ポリウレタン、塩化ビニール、エポキシ樹脂、ポリエチレン、ラミネートフイルム等々は木材に比べ、カビと縁遠いように思われる方が多いが、実はカビに弱い。
井上真由美著の「カビの基礎知識」に詳しく記されているので、参考にしていただきたい。
要するに、プラスチックに、カビはつきものなのである。
また抗菌加工されてると安全か、というとそうではなく、こうしたものでもプラスチック類は、静電気で、表面にゴミやホコリなどがつきやすい。そこにカビ・ダニが付着し、増えるのである。
また、こうした仕上げの建物は、調湿力がないので結露し易く、暖房で暖められると、カビが増殖してしまう。

アレルギー防止にほこりを無くそうと、まめに掃除機をかけると、微少なゴミ、カビの胞子、ダニのフン、脱皮した抜け殻の粉はフィルターの目を通り抜け、10分のクリーナで200倍以上に増加するといわれる。そのため、新建材の家はこれらが異常に浮遊し、さらなるアレルギーの原因になる。

ベラシティハウスの名付け親でボストンに住む友人、ピーターさんは、「韓国がキムチの臭いなら、日本はカビの臭いがする。」と話しておられた。
乾燥した米国や欧州ではカビの問題は少ない。それに比べ、日本では、ムク木にペイントすると、そこが結露によってカビが発生する、そんな国なのである。

ピアノの調律士の方が興味深い話をしてくれたことがある。
我が家のピアノの中が、本当にきれいだというのである。
近頃は、ピアノの中がカビだらけの家が多いというのだ。
我が家は決して掃除にマメな家ではない。
おそらくムク木の家で調湿力が違うのだろうと、「さもあらん」と一人悦に入る。

呼吸するムク木は、調湿力があって結露しにくい。
また、静電気が発生しにくいので、ほこりがつきにくい。最近木のブラインドを使うことが多いが、デザインもさることながらほこりがつきにくいので掃除が楽で重宝である。

志木では、8年前に通信販売を始めて以来、一貫して、フローリングは無塗装で、塗装は天然塗料を勧めて来た。
その意味するところは深く、決して妥協できないところである。
フローリングだけでなく、家もまた、是非「呼吸するムク木の家」の大切さを理解していただきたい。
さもなければ、ピアノの響板のスプルース板のようにように、室内のわずかなムク木に湿気が集まり、許容力を越え、悲鳴を上げることにになる。ピアノのカビは、ムク木のせいではなく、家に調湿力が無いせいなのだから。

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