ムク木コラム

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 住まいとアレルギー
平成14年6月
山川元志

この数年、合板などの「新建材」と異なるムク木が、アレルギーと縁遠い「健康建材」として注目されるようになる。
ホルムアルデヒドなどの化学物質を発散しないという理由からである。
普通の木が、わざわざ「健康建材」と呼ばれなければならないこと事体が、異常な現代住宅の現状を示している。
近年、多くの新築住宅は入居直後に異常なボンドの臭いがし、「毒ガス室」とも呼ばれとてもいやなものである。
これが原因で過敏症になるような住まいが「シックハウス」でその反対が「健康住宅」というわけである。
しかしF1ボードが使われ、ボンドや新建材の臭いが消えて薄まれば果たして問題は解決するのであろうか。否。

私は仕事柄、いろんな人の住まいの体験を聞くことがある。
築後何年も経過したマンションに住まわれていた方が、中古の戸建てを購入された。
合板のフローリングが張られ、壁はクロスが張られた良くある住宅である。
そこのリフォームを当社でさせていただいた。
床はムクのフローリングを張り、壁は珪藻土の塗壁で仕上げ、椅子とテーブルもムクの家具を据え付けた。
その後、ここの奥様に、「以前の住まいとどんな違いがありますか?」とたずねると、「前のマンションは家にいるのがしんどくて、出たい出たいと思っていましたが、改装後はこの家の居間にずっと居たいと思うようになりました。」と言って下さった。家にいることの多い主婦ならではの、切実で貴重な体験である。
また、当社のベラシティハウスで「ムク木の学習机」を注文していただいき、そのお宅に商品を納入したときのこと、子どもさんが小枝に付けたハンカチをふって出迎えてくれた。
そして机を見て「自然はいいいな!」て言ってくれ、とても喜んでくれるのである。
この家もまた壁はクロスで、床は合板のフローリングが張られており、一見したところは立派に木目のお家であるが、無機的な仕上げである。
お茶をごちそうになりながら、若いご夫婦とお話をした。
ご夫婦がともにマスクをされているのが気になって聞いてみると、花粉症ということである。
「いつからですか」とたずねると「3年前」ということであった。
もしやと思い「この家は「いつ新築されたのですか」と聞くと「3年前」ということであった。
杉花粉等が原因でなる「花粉症」とは、なんら関係のなさそうではあるが、同じ3年前というのが気にかかる。
 じつは、私は花粉症の原因は住まいにあるとにらんでいるが、ここにもまたひとつ疑わせる事例があったと言うことである。
べラシティハウスクラッシクバレエ教室に来られているお子さんから、手作りのベッドの注文を受けた。
その注文の内容がユニークで、
 ○自然の材でつくってほしいということ
 ○高さ110pので寝られるようにすること

という2点であった。
実はこのお子さんは、喘息がでやすい症状があった。
そのため変な臭いのしない自然な木材を希望され、床近くで寝るのがつらいので、こうした高さ指定の注文になったようである。
節のある檜材で造って納品したのだが、お子さんはとても喜んでくれたというこどである。
しかし、室内はやはりカビ気の多そうな部屋だったようで、過敏症のお子さんを思うと私はそれがとても気になる。
 
花粉症と住まいの関係
でいえば、ベラシティハウスで所属しているテニスクラブの総会を開いたときのこと、「参考に」と思い、参加者20数名に花粉症の有無を聞いてみた。
すると、実に過半数が花粉症であった。
この地は相楽ニュータウン内にあり、一般プレハブやマンション住まいの人が多いが、こうしたところに花粉症が多いというのは、私のこうした疑いをより深める事実である。
化学物質過敏症
花粉症もそしてアトピー鼻炎、そして小児喘息も、皆Ige抗体の絡んだアレルギー症状であることが多い。
それにしてもどうして現代人はこんなにアレルギーに悩まされるようになったのであろうか。
Ige抗体が寄生虫に対する抗体だったことから、無菌の野菜を食するようになって、お腹から寄生虫が居なくなったことに起因するという考えもある。
また戦後の杉檜の大量の植林でこれらの花粉が大量に飛散するようになったからという意見もある。
あるいはディーゼルエンジンなどから排出される微粒子が影響しているという意見もある。
家のほこりダニのせいと言う考えもある。
さらには食生活の変化に理由を求める考えもある。
つまり現代人は消化の良いモノを食べるようになって、多くの人の胃酸が薄くなって、こうした人にアレルギーが多いという指摘もある。
また現代人は危機感と運動が少なくなって自律神経のスイッチングが悪くなったとも言われている。
わたしは基本的にどれも間違ってはいないしそれなりの根拠はあると思っている。
つまり、現代人が避けにくい複合汚染と生活習慣の変化が原因ということである。  
しかしわたしは、どれもこれも同一に扱うことには賛成出来ない。
国民の半数がアレルギー症状をもつというのはどう考えても異常である。
必ず主たる原因はあるはずだし、それを克服すればもう少し光明が見えるのではないかと思うからである。
私は医者ではない。ただの建築屋である。
しかし、ムク木と深い関わりのある木材業の家に生まれ、ムク木の家や家具づくりを業としている。
また13年間平安女学院短期大学で非常勤講師としてゼミを持つ機会を得た。
それらの体験からこの問題は住まいの変化と、とりわけ大きな関係があると思いこの問題に一石を投じたいと思う。


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Shiki ムク木の家で暮らそう
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